がん治療中の食欲不振におすすめ!栄養補助食品を上手に活用しよう
治療中の副作用や病気による症状の中で多いのが食欲不振。
- 吐き気のために食べたくても食べられない
- そもそも食べたい気持ちがなくなってしまった
- 食べないと体力は落ちるし元気もなくなる
周りで見守るご家族はご本人以上に心配されます。
ただ、食べないと弱っちゃうよ!と言って無理矢理食べさせようとすることは
食べたいと思っていても食べられない
家族に心配させたくない
と思っている患者さんにとってさらに苦痛となってしまうことに繋がります。
だって、食べたくても食べられないんですもの。
そんなとき少量でも栄養が摂れる補助食品を活用することをお勧めしています。
今回はおすすめの栄養補助食品をご紹介しますね。
栄養補助食品て何?
『栄養補助食品』という名称としては日本では定義はないようです。
ひっくるめて『健康食品』とまとめられているようです。
アメリカではDietary Supplementとして
『従来の食品・医薬品とは異なるカテゴリーの食品で、ビタミン・ミネラル・アミノ酸・ハーブ等の成分を含み、通常の食品と紛らわしくない形状(錠剤やカプセルなど)のもの』と定義されているそうです。
■特別用途食品-病者用食品、乳幼児用調製粉乳、妊産婦・授乳婦用粉乳、嚥下困難者用食品
■特定保健用食品
■栄養機能食品
参考:厚生労働省
それ以外のものはいわゆる健康食品と呼ばれています。
これらは医薬品ではないので表示として
「効果がある」
「治る」
「予防になる」
などの記載はできません。
効果を謳う食品などに関心を持たれる患者さんやご家族もいらっしゃいますが、基本的にそのような効能効果が書かれているものはまずは疑ってみるようにしてください。
食欲がないときはどんな栄養補助食品を選べばいいの?
食欲がないときは食べられる量に限りがあります。そんなときは、
- 少量でも栄養が多めに摂れるもの
- 不足しがちなビタミン・ミネラルが摂りやすいもの
筋力が低下しがちになるため良質なタンパク質が多く摂れるものがお勧めです。
ここで紹介するもの以外にも似たような商品はたくさんあります。
一番優先して選んでいただきたいのは患者さんの口に合うかどうかです。
味が苦手だと摂取することも苦痛になってしまいますからね。
患者さんが負担なく摂れるものを探すこと。
これはご家族しかできないことだと思いますよ!
食欲不振のときのおすすめ栄養補助食品のご紹介
それでは私がこれまで多くの患者さんにお勧めしてきた栄養補助食品をご紹介します。
最初の3つの品は病院でも採用しているところも多いものです。
患者さんに紹介するときは常に複数の栄養補助食品をご紹介するようにしています。
それは、どの商品が患者さんのお口に合うかどうかわからないからです。
お値段の違いもありますし、継続して利用できるかどうかも必要な情報ですよね。
メイバランス(明治)
まずご紹介するのはメイバランス。ご存じの方も多いと思います。
200kcal/125mlと高カロリーなので少量でもカロリー摂取の助けになります。
タンパク質・脂質・糖質・ビタミン・ミネラル・食物繊維
これら6つの栄養素がバランス良く配合されています。
ドラッグストアでよく見かけられることと、お試しで1個から購入できる購入しやすさがメリットですね。
それとフレーバーが多い!
患者さんの好みの味を見つけやすいと思います。
ドリンクタイプのほかゼリータイプもありますよ。
アイソカル100(ネスレ)
コンパクト栄養食と謳っているだけあって200kcal/100mlと業界では一番小さな栄養剤です。
(ゼリーは150kcal/66g)
少ない量でも高いカロリー摂取が可能となります。
タンパク質・ビタミン・ミネラルがバランス良く配合されていることはメイバランスと同じです。
フレーバーはメイバランスに比べると少ないですが、売りはコンパクトサイズ!
患者さんが好みのお味があれば少量ながらも栄養を補給できる商品になると思います。
こちらもドリンクのほかゼリータイプもありますよ
ブイクレスCP10(ニュートリー)
こちらは特別用途食品として認められている商品です。
12種類のビタミンと鉄・亜鉛などのミネラルが配合されています。
特徴はなんといっても亜鉛の含有量が多いこと。
1本で一日に必要な量の亜鉛が摂取できるんです。
化学療法中の患者さんは多くの方が味覚障害を感じられています。
食欲が落ちて食事量が減ると亜鉛の摂取量も減ってしまいます。
亜鉛は味覚に関係するミネラルになるので簡単に摂取できるのは嬉しいですね。
亜鉛は豚肉や牡蠣に多く含まれますが、食欲がないときに十分足りるほど摂取するのは難しいですよね。
こちらもゼリータイプもあります。
ザバス(明治)
多くの人が知っているプロテインです!
プロテイン飲料って筋トレとかで筋肉つけたい人が飲むんじゃないの?って思いますよね。
人間の体はタンパク質からできています。
がん患者さんは病気や治療の影響でどうしても筋肉量が落ちやすくなります。
加えて食欲がないときはタンパク質となる肉や魚などをたくさん食べることも大変なときもあります。
そこでタンパク質の補給としてプロテイン飲料を利用することをお勧めしています。
お勧めはホエイプロテイン
ソイプロテインと違い吸収される早さが違います。
筋肉をつけたいならホエイプロテインと言われていますが、筋トレを維持するためにホエイプロテインをお勧めします。
食欲不振のときのおすすめ栄養補助食品のまとめ
食欲がなくて栄養やカロリーが十分摂れないことは、元気で長く過ごすということに対して不安になってしまいますね。
健康なときのように食事が思うように摂れないときは、今回ご紹介したような栄養補助食品を上手に活用してみるのもひとつの方法です。
不足しがちが栄養素がバランス良く摂れるもの
体力を維持するのに必要な栄養素が含まれているもの
ご紹介したもの以外でも摂りやすい商品はたくさんあります。
患者さんが食べやすく、好みの味のものを見つけることを優先してください。
食欲不振と上手に付き合いながら治療を長く続けられますように。