私が緩和ケアを専門として選んだ理由
こんにちは、ジュンです。
今回は医療の中で数ある専門分野のうち、私が緩和ケアを選んだ理由について書いてみようと思います。
私が新人時代の研修で最後のまとめのとき一人一言言え!という、一言って何を言えば良いんだ?という課題がありました。
そのとき言ったことを今でも覚えています。
患者さんの苦痛を感じて、できる限りその苦痛を取り除けるようなケアのできる看護師になりたいです。
それを聞いていた当時の看護部長
なんて良いこと言うの?この子は!
と言っていたとかいないとか笑
いえ、あとでお褒めの言葉をいただいたんですよ。
新人時代の配属先での経験
私は最初の配属が消化器内科でした。
そこは看取りの数が院内で一番多い病棟だったんです。
そして癌に限らず痛みを抱える患者さんも多い。
それでも医師は痛みを緩和する鎮痛剤に関して効果的に使えるような指示をくれず、そばで看護する看護師は苦痛を取り切れないでいることに無力感を感じていました。
院内で有志による緩和ケアの勉強会をやっていたのですが、そこで診療科が違うと鎮痛薬の使い方が違うことに気づきました。
え?今までやってきたことは標準じゃなかったの?
院内でもやり方が違うってことは日本のスタンダードは何?
そんなときに日本看護協会の緩和ケア研修を受けてみようと思い、勉強したことがきっかけです。
目の前に痛みで苦しむ患者さんがいるのに何もできないってどういうこと!?
疼痛に対する治療・看護のスタンダードを知りたい!
私が専門分野を極める第一歩でした。
おおまかに知るともっと詳しく知りたくなる
ジェネラリストが受ける研修をいくつか受講したあと
もっと疼痛緩和に関する専門的な勉強がしたい!
そう思って探し当てたところが『がん性疼痛看護認定看護師の教育課程』でした。
認定看護師の専門分野としては『緩和ケア』と『がん性疼痛看護』があります。
どちらも緩和ケア分野が専門で違いは何?と言われると難しいところではありますが、私が進学した時代は『緩和ケア』分野は『ホスピスケア』という名称でした。
つまり積極的な治療が奏功しなくなったあとのケアを専門的に勉強するという意味合いです。
今でこそ緩和ケアは「がんと診断されたときから」と言われるようになりましたが、当時はその転換期だったんですね。
私は終末期ケアよりも治療中の患者さんの苦痛に寄り添いたかったんです。
そして勉強したい!と思ったきっかけも疼痛です。
なので迷うことなくがん性疼痛看護分野を選んだわけです。
今でもその選択は間違っていなかったと思っています。
がん疼痛専門だけどすべてのつらさに寄り添うよ!
認定を受けてからもう15年
私が担当した患者さんは私と出会えて良かったと思えるようなケアをする!
これが仕事をする上での私のモットーです。
今ではがん性疼痛看護分野以外のことをたくさんしていますが、私自身のケアの基本は変わっていません。
15年緩和ケアに携わってきて思うことは、緩和ケアは特別なケアではないということ。
病気の種類にかかわらず入院する患者さんは何かしらの症状があるし、生活の不安も抱えています。
看護師が看護計画を立ててケアを実施し評価する
それこそが緩和ケアなんだって本当に思うんですよね。
それって特別じゃないでしょ?
どの患者さんにだって行われる看護として基本的なことです。
そのことが医療者にも患者さんにもご家族にも伝わるといいなと思って、日々患者さんに接しています。
どうか緩和ケアと聞いてももう終わりだとか諦めの医療と思わないでくださいね!